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ヤ サ シ イ セ カ イ 15

現在ヤサシイセカイ4と10(シスター編)の記事を試験的に公開停止しています


ファンタジーなダークTS系のお話です

前回記事からあまり間があいていませんが
少女騎士と入れ替わった盗賊のつづきです



 ヤ サ シ イ セ カ イ ~シンパシーリング 7



 馬二頭。従者が一人。
 友人のよしみを利用して借りるという方法がないでもなかったが、普通に頼んでもなぜそんなものが必要なのかとあれこれ詮索されるのは目に見えていた。
 だが脅しと取引を絡めれば、事情を明かすことなくそれらを手に入れられる。
 衝動的に思いついた策だったが、上手い具合に運びウィーグルは上機嫌だった。
「足元にお気をつけ下さい、僕が先行しますので、その通りに」
 馬を引く従者の男が、辺りを見回しながら慎重に歩を進める。
 既に都市部からは遠く離れ、国境を越える山沿いの道からもはずれ、ウィーグルたちは険しい岩盤地帯を進んでいた。
 道幅はあるが足場がとても悪く、馬に乗ったまま越えられるような場所ではない。この先は徒歩での移動になる。
 ただここまで来れば、アジトに使っている廃鉱はそう遠くない。ウィーグルは歩く速度を緩め、従者に気付かれないよう手頃な大きさの石を拾うと彼の背後に忍び寄った。
「あの、ハーネスト様。こんな場所にどのような用事があるのですか?」
「知る必要はない」
「しかし……」
「牽引ご苦労。お前はもう用済みだ」
 腕を大きく振りかぶる。
「え?」
 従者が振り向くのとほぼ同時に、鈍い音が山岳に響いた。


*:ベノム

 ウィーグル盗賊団の一人に、ベノムという名の男がいる。
 彼の顔は醜悪であり、奇形だった。
 大きなコブが顔の半分を覆い、焼け爛れたような肌を持ち、成人しているはずなのにいまだ子供のような小さな体付きは聖典に記された【小鬼】を彷彿とさせる容貌をしている。
 ベノムは世界中から珍品を蒐集する見世物小屋の主人に各地を連れ回され、【エルフ】にも劣る対象として扱われ、鎖に繋がれた人生を送ってきた。
 しかし盗賊団の襲撃によって、男は初めて自由を得る。
 醜悪な自分を仲間として迎え入れた『アニキ』に、ベノムは誰よりも心酔していた。
「……アニキ」
 かつては大勢の鉱夫が出入りし、最近では盗賊団のねぐらとして利用されていた廃鉱には、彼一人だけが残されていた。
 最初は、いつまで経っても戻らない頭領たちを不審に思い、彼らが金品を持ち逃げしたのではないかという話が上がった。疑惑はなかなか消えず、その夜、半数がアジトを去った。
 次に、アニキが騎士団に捕らえられたという情報が入ると、動揺が広がった。団長が自分達を売るのではないかと不安にさいなまれ、その夜、半数がアジトを出て行った。
 次の日には、俺こそが新リーダーだと名乗りを上げる連中が多数現れ、派閥争いが起こった。世間を騒がせた盗賊団は数日で内部分裂を起こし、今に至る。
 散り散りになったメンバーは、誰一人として醜いベノムを連れて行こうとはしなかった。
 とはいえ仮に誘われても、男はその手を拒んだだろう。
 ベノムにとってはウィーグルこそが主人であり、彼以外の人間に従う気持ちなど微塵も持ち合わせていない。
 このアジトを守りさえしていれば、アニキは必ず帰ってくる。今この瞬間も、そう信じていた。
「あ……?」
 岩盤を踏む音が、坑道の入り口から聞こえてくる。足音は迷いなくベノムに近づき、ほどなくその全貌をあらわにした。
 現れた短髪の少女は、胸に騎士団の紋章をつけていた。盾の背面に剣を納めた紋章は、女が王国騎士であることを示している。
「な、なんで、騎士がここに!」
 まさか、本当にアニキが裏切ったのか。しかし女の足元に視線を移した瞬間、その凄絶な光景にベノムは言葉を失った。
 頭が陥没し、頭蓋骨が割れ、血と脳液を滴らせた男の死体が横たわっている。
 女騎士の頬も血に濡れ、にもかかわらず彼女の美しい顔はニヤニヤと酷薄な笑みが刻まれていた。
「コイツは、マーグレイ家の小間使いさ。俺達の馬をここまで運んでくれたんだよ」
 女騎士は男のような口調で、死体をぞんざいに蹴る。
 死者を尊び、誇りを重んじる騎士らしからぬ行為に、ベノムの混乱はますます加速した。
「殺されるとも知らず、俺をエスコートする姿は滑稽だったぜぇ? くひひっ」
「さ、さっきから、何を言って……」
「まだ俺がわからねぇのか? あんだけ目をかけてやったのに悲しいぜ、ベノム」
 鎧をまとわない女騎士は唇を醜く歪ませたまま、どこか面白がるように男の名を呼ぶ。
 少女の容姿に不釣合いな言葉遣いと粗暴な態度は、ベノムのよく知る人間の面影と重なった。
「そうさ、俺はウィーグルだ! マホウの力で、俺を捕らえやがった騎士様とカラダを入れ替えたんだよ! くひゃははは!」
「ま、マホウ……!?」
 旧文明の技術。奇跡そのもの。
 リーダーのウィーグルは、たしかに【マホウ】とマホウの力が秘められた【魔道具】に興味を持っていた。
 だがそんなもの、単なる作り話だ。見世物小屋にいた頃ですら、ベノムは一度も魔道具を見た事がない。
「まだ信じられないって顔しているな。わざわざ死体まで持ってきてやったのに、疑り深い野郎だ」
 女騎士がツバを吐き捨て、死体から離れる。ベノムは警戒し、じり、と後ろにさがった。
 腕を背中に回し、ナイフの柄に手をかける。
「考えてみろ。騎士様が一人で、鎧もつけず、帯剣もせずに盗賊団のアジトに乗り込んでくると思うか? 死体まで用意して、騎士道に反するお芝居までする理由は何だ?」
「そ、それ以上近づくな!」
「だいたい、ベノム。お前みたいな醜い男と初対面の女が、こんな風に話せるか? そのうえ……」
 女騎士が足を止めると、制服のボタンをおもむろに外し始めた。
 女の服など、引き裂くか引き千切るかしてこなかったウィーグルらしからぬ丁寧で手馴れた所作に、ベノムの警戒心はますます高まり──すぐに下落した。
「ほら、どうだ、良いカラダだろ?」
 女騎士は胸を開き、服の下に隠れていた二つのふくらみを惜しげもなくさらけ出した。
 下着をめくりあげると、覆われた柔らかい半球がベノムを挑発するように弾んだ。外気にさらされたためか、淡紅色の乳首がピンとそそり立っている。
「清廉潔白な騎士様が、こんな痴女みたいな真似をすると思うか? なぁ? くひひひひっ!」
 屈折した笑みを浮かべて痴態をさらす女は、もはや自分を捕らえに来た騎士団の人間ではないと認める以外になかった。
「ほん、本当に……本当に、アニキなのか……」
 もはや、疑うべくもない。ベノムはおそるおそる手を伸ばし、目の前で揺れる女の胸に触れようとする。が、その手はあっさりと叩き落とされた。
「勝手に触ろうとしているんじゃねぇよ。これは俺のモノだ」
 女騎士……ウィーグルはさっと衣類を整え、元の騎士らしい格好に戻る。
 てっきり行為までさせてくれるものとばかり思っていたベノムは狼狽し、嘆きの声を上げた。
「そ、そりゃないぜアニキ! こ、ここまでしておいて……!」
「てめぇみたいなキモイ男とヤるわけねぇだろ。今見せてやったものを思い出して、勝手にシコってろ」
 下品な物言いをしながら、ウィーグルは辺りを見回した。
 かつて二十はくだらない部下と共に暮らしていた坑道は、すっかり寂れてしまっている。
「残ったのはお前だけか。薄情なヤツラだぜ、まったく」
「お、俺は、アニキが戻ってくるって信じてた!」
 鼻息を荒くして詰め寄ると、ウィーグルの笑みが微かに引きつった。
「……女の目で見ると、ますます救えない面構えだな。けど喜べ、そんなお前に、俺の取って置きのマホウを使わせてやる!」
 それからウィーグルが語った【魔道具】の特性と姫騎士アトラへの復讐計画を聞き、ベノムは痺れるような興奮を味わった。
(やっぱり、アニキはすげえ!)
 この男になら、どこまでもついていける。ベノムは改めて確信し、少女騎士と共に醜悪な笑みを漏らすのだった。

:*リタ(ウィーグル)

 ウィーグルが新たな部下を引き連れて戻った頃には、都市部はすっかり日も落ちていた。
 ベノムの外見は悪目立ちをするため、街に入る前にフードをかぶるよう命じた。街灯のかがり火程度なら、下から覗き込みでもしない限りその醜悪な外面がさらされることはない。
 その思惑自体は成功だったが、夜間にしては人通りが多いのがウィーグルは気になった。松明を片手に農具や木材を携えて歩く男たちはみな気色ばんでいて、いまにも荒事を起こしそうな様子だ。
「あの、そこの方っ」
 ウィーグルは手近にいた農夫を呼び止めると、騎士である身分を明かし、街全体を包む異様な雰囲気について思い当たることはないかと訊ねた。
「騎士様、ご存じないのですか? 実は、街外れの教会で事件がありまして」
「事件?」
「えぇ。なんでも、神父が自分の教会で、シスターに淫行を働いていたそうです。それが発覚し、街中が大騒ぎでしたよ」
 神父の犯した罪が明るみに出たのは、シスターとその友人の働きによるものらしい。
 彼は異端審問にかけられるまでもなく、二人の手によって断罪を下され命を散らしたという。
 しかし民衆の怒りは、そこでおさまらなかった。
 神のシモベである人間が淫行を犯していたという話題は瞬く間に広まり、中央地区や城内にいる神父も同罪ではないかと声を荒げ教会に詰め掛けているらしい。
 自分も今から中央地区に赴き、デモの一助を担うのだと農夫は笑顔で語り、そのまま立ち去っていった。
「……ったく、ひでぇ話だ」
 国の秩序を担う一角である教会が、いまや民衆の攻撃対象である。
 ウィーグルの復讐計画が成功すれば、騎士団も遠からず崩壊するだろう。この国は、神に見離されたに違いない。
「さぁ、さっさと行くぞ」
 騎士団のメンバーに遭遇し、デモの鎮圧に協力しろなどと命じられたら面倒なことになる。
 ウィーグルは馬の手綱を握り締め、先を急いだ。
「……ほ、本当に、アニキ、なんですよね?」
「あぁん? 今更何言ってやがる」
「いやぁ、だって、さっきの農夫との話し方……ほん、本当に、女騎士みてぇだったから……」
 『リタ・ハーネスト』という少女の全てを引き継いだウィーグルにとっては、先ほどの振る舞いなど意識するまでもなく自然とこなせることだった。
 だが目の前の少女騎士が盗賊のリーダーだと知るベノムにとって、リタらしい仕草はむしろ不自然に映ったのだろう。
「……なぁに、お前もすぐ、俺と同じにしてやるよ」
 よこしまな盗賊の思考と、気高き騎士の記憶が両立するこの感覚は、魔道具を使った者にしかわからない。
 『リタ』の細い指にはまる銀の指輪が、かがり火の色を反射し、怪しく揺らめいた。





計画は順調
盗賊ターン4日目終了
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No title

新たに有望な人材がーーーーっ!
これはやはりその容貌を利用して道具の発動条件を満たすつもりなんですかねえ。
彼らの計画がうまくいくことを願っていますよ。

リタの肉体は完全に罪と血に塗れてしまいましたねえ。かわいそうに……くひひ。

コメントありがとうございます

>nekome さん
コメントありがとうございます!
魔道具は恐ろしい道具です。取り扱いには充分注意しましょう。


これまでの所業をリタ本人に伝えたらどんな顔をするか見てみたいですね
想像するだけでヨダレが涙が出てきます