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短編「ABCオブTS」 L

さらに寒くなるとか


「ABCオブTS」という短編を進めています
英単語26文字を頭文字にした短編です

表サイトの投票所でリクエストを募った結果、素敵な単語を教えていただきました
ありがとうございます


liquefy -溶ける-

 背中に抜き身の大剣を携えた女が立ち寄ったのは、さびれた村だった。
 村名らしき文字が彫られた木製のアーチの向こうに広がる大通りは、人気というものを忘れ去り活気という言葉の片鱗すら窺えない。
 左右に軒並ぶ家々のほとんどが倒壊し、廃墟と化している。黒く重苦しい雲が空を覆いつくし、陰鬱とした雰囲気をいっそう引き立てていた。
 耳を済ませても、人の話し声はおろか動物の声すら聞こえない。時折吹く物寂しげな風だけが、女剣士の感じる唯一の物音だった。
「誰か、いないのか!」
 大剣を地面に突き立てて、女がその清廉とした声を張り上げる。
「誰かっ。私は旅の剣士レイア! 森に迷ったため地図を貸してもらえるとありがたい!」
 凛とした声が息絶えたような村に響き渡る。
 しばらくの後、一つの民家のドアが音を立てて開いた。
「旅の方……ですか?」
 ドアの隙間からおそるおそる顔を覗かせたのは、ショートのブロンドヘアを湛えた少女だ。
 年頃は14,5あたりのまだあどけなさの残る顔が、女剣士に怯えた瞳を向けている。
「良かった、無人ではなかったか」
 少女を見つけたレイアは安堵をすると、突き立てた剣を地面から抜き彼女の傍へと歩み寄った。

---

 ブロンドの少女が居たのは、酒場だった。
 オレンジ色のランタン光が薄暗い店内をほんのりと照らしている。だが相変わらず、少女以外に人間の姿は見かけなかった。
「他の人間は? 父や母はどうした?」
「……殺されました。バケモノに」
「バケモノ?」
 レイアの目が鋭くなる。
 近頃では大型の魔物が村を襲い、人々を殺戮していくという話は旅の途中で何度か耳にした。
 この村もそうしたモンスターの被害に遭い、少女はその生き残りなのだという。
「なるほどな……そのモンスターは今どこに?」
「え?」
「私が退治しよう。これまでも何度か経験はある」
 大剣の柄を握り、強気な笑みを少女に送る。
 まだ無名ではあるが、レイアはモンスター討伐を生業とするハンターだ。例え相手が大型であっても、倒せるだけの自信と実力は兼ね備えている。
「……村で一番強かった男の人も、同じことを言っていました」
 少女は静かに語りながらカウンターに回り、奥の棚からボトルを取り出した。
「彼は全身を溶かされてモンスターに食べられました」
「溶かされて?」
 人間を溶かす……溶解液を吐き出すモンスターはそう多いわけではない。パッと思い浮かぶのはスライムだが、大群で押し寄せてでも来ない限り村一つを滅ぼすなど不可能だ。
「どんな姿をしているんだ? そのバケモノは」
「…………スライムです」
「は?」
 まさかと思っていた相手の種族を告げられ、剣士は拍子抜けした声を上げた。
「百匹以上の大群か?」
「いいえ」
「とてつもなく巨大なのか」
「いいえ、ごく普通のサイズです」
「…………」
 どのような強敵かと意気込んでいた気力が、みるみると萎えていく。
 スライムなど新米冒険者でも数人集まればたやすく討伐できる雑魚モンスターだ。ただの村人であれ、この規模の村が一致団結すれば後れを取る相手ではない。
「くだらん、すぐに退治してやる」
「無理だと思います」
 ボトルを傾け、茶色の液体をグラスに注ぐ。どうぞ、と差し出されたが剣士はそれを口につけなかった。
「なぜだ。私がスライムに劣ると?」
 自分の腕前を侮辱されたような気がして、少女に厳しい目を向ける。しかし歴戦の戦士に睨まれているというのに、彼女はまったくひるむ様子をみせなかった。
「いいえ。剣士様のお強さは一目見た瞬間にわかりました。この村に居た一番の男など、足元にも及ばないことも」
「ならば問題あるまい」
「そうとも限らないのです」
 少女は顔を俯かせたまま、声のトーンを変えずに語り続ける。
「そのスライムは人間の口から侵入し、体内から捕食していくのです。宿主は麻痺をしているため、身体の中がドロドロに溶かされていようとも痛みは感じません。外皮が溶けて、初めて異常に気づくのです」
 まるで病のように。
 じわじわと、相手を内から破壊していく。
「剣士様のおっしゃったように、スライムは弱いので人間をだまし討ちします。わざと外皮を残し、人間のフリをして近づき、そして身体を乗り換えるのです。そうして徐々に、この村から人間が消えていきました」
「……ッ」
 剣士は背中から大剣を引き抜き、カウンターに立つ少女に剣先を突きつけた。……いや、突きつけようとしたが、無理だった。
 柄から先、刀匠によって研磨された鋼の抜き身は、跡形もなく消えていたのだ。
 それどころか、イスから立ち上がることもできない。まるで足裏が地面に張り付いたかのようだった。
「なっ、く、くそ……!」
「でも、村人を食い尽くしたスライムには一つだけ悩みがありました」
 剣士の狼狽を面白がる風でもなく、少女は淡々と語り続ける。
 その顔が持ち上げられた瞬間、レイアは短い悲鳴を上げた。
「ニンゲンの臭いが染み付いたオレは、他のモンスターから襲われルようにナッタ」
 少女の顔の右半分はただれ、溶けていた。
 白目を剥いた左側の瞳からは水滴がこぼれ、大きく開いた口からは青紫色をした半透明の粘液が芋虫のようにうごめいている。
「最後まデ隠れてタ女のカラダは弱くて、トテモ森をヌケられるダケの力は持ってイなかった……コノママ飢え死にするしかないと思ってイタソノトキ、オ前が現れた」
 可愛らしかった少女の声はすっかり濁りきり、人間のものとは思えない音を出している。
 レイアは逃げ出そうと上半身をひねるが、足はピクリともしなかった。
「!?」
 カウンターの下を見ると、床一面が青紫の液体で覆われていた。
 鎧に包まれた脚にも同じ粘液がへばりつき、それどころか徐々に彼女の上半身へと這い上がってくる。
「く、くるな! くるなくるな!」
「コレデヨウヤク……別ノ村へ旅立てル」
「!?」
 ベチャッと音を立てて、水分を含みすぎた肉塊のような少女の手が剣士の両肩をおさえる。
 口の中から粘液……スライムが吐き出され、ブヨブヨした管の先端が雫をたらしながらレイアの口元ににじり寄る。
「い、いやっ、たすけ────ッ」
 女剣士の悲鳴が響くその直前に声は途切れ、二度と聞こえることはなかった。



「いやぁ、助かりました」
 白髪の老人は笑みを浮かべ、絶体絶命の危機を救ってくれた剣士の両手を握り感謝の言葉を伝えた。
「あなたが現れなければ、我々はモンスターに全滅させられていたでしょう。本当に、ありがとうございます。……どうです。もしよければ、私の村で歓迎会など」
「では遠慮なく」
 大剣を背中に携えた女剣士は、唇をうっすらと曲げて笑う。
 その隙間からは、青紫色をした半透明の粘液が覗いていた……。





経口憑依は好きですが難しい…
もっと描写を! もっとエロさを! もっとキモく!
精進ですねわかります
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No title

女剣士様への乗り換えおいしいです!

乗り換えるシーンを濃厚に…

返礼

コメントありがとうございます

>tsuniverse さん

乗り換えは外道的でかつ浪漫的だと思うます!


>名無しさん

ワンパターンといえばワンパですねorz
どろり濃厚シーンがさっくり書けるようなるにはまだスキルが足りませんです