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短編「ABCオブTS」 T


復讐~の流れを止めて「ABCオブTS」という短編を一つ進めます
ややエロなのでこっちに…「P」~「S」は表に載せました
英単語26文字を頭文字にした短編です

表サイトの投票所でリクエストを募った結果、素敵な単語を教えていただきました
投票者さんに感謝


transference -転移- 

「非常に言いづらいのですが……転移しています。もう、手術じゃ取り除けません」
 お医者様はそういい、私を見放した。
 ううん、見放すなんて言い方は良くない。彼は出来る限りの事をしてくれたんだ。

 最初に違和感を覚えたのは、仕事中だったと思う。
 デスクワークをしていた私は、急にカラダをまさぐられている感覚を受け取った。
 腰を撫でられ、お腹を撫でられ、ストッキングに包まれた太ももが撫でられ、タイトスカートをめくろうとした左手を見て、ようやく私は自分の左腕が、私の意思とは無関係に動き出している事を知った。
 症状はすぐにおさまり、左腕も元通り自分のものとして動かす事ができたから、そのときは気にも留めていなかった。

 ……けど、コレはすぐに再発した。
 夜、一人きりのアパートに帰りシャワーを浴びていたときだ。
 左腕がまた勝手に動き出し、胸を揉み始めた。
 私が気付くとやはり症状はすぐにおさまったが、優しく円を描くようにこね回すその手つきは私の自慰行為と酷似していた。
 『もしかして溜まってる?』と思い、その晩はいつもより濃い目にオナニーをした。
 ベッドのシーツは翌朝一番に洗濯した。
 まさかそれが、さらにこの病気を悪化させるなんて思っていなかった……。

 それからは毎日のように左手が言う事を聞かなくなり、ついには仕事中なのにペンで割れ目を擦り始めた。
 細いペンを膣内に出し入れするたびに熱っぽい声が漏れ、同僚にいらぬ心配を与えたことも一度や二度じゃない。
 さらに恐ろしいのが、どれだけイッてもイキ足りない性欲の大きさだ。
 朝昼晩と、私の左手は私のカラダをまさぐり続け、何度も何度もイカされた。

 何かがおかしい……そう思っても、なかなか病院には行けなかった。
 だいたい『左手が勝手に動いて自慰行為をするんです』なんて、説明できるはずがない。
 だけどあの日。
 彼氏とのデートの日、この病気はついにとんでもない事態を引き起こしてしまった。

 あの日、いつもなら一日中私のカラダを弄り回してくるはずの左手は、なぜかずっと大人しかった。
 彼にも不審に思われることなく、その日は目一杯デートを楽しんだ。
(やっぱり、溜まっていただけだったんだ……)
 最近ご無沙汰だったから、きっとそのせいであんな痴女みたいな癖をつけてしまったんだ。
 ホテルのベッドに座り、左腕を見下ろしながら私はそう納得した。
 彼とエッチをすれば、すべて元通りだ。今後はもっとこまめにデートしよう。
 そう思って、シャワーを出た彼に抱きつこうとした、そのときだった。

────ゴッ!
 という嫌な音を立てて、いつのまにかガラス製の灰皿を手にした左手が、彼氏の頭を殴った。
 すぐに救急車を呼んで一命こそ取り留めたが、彼とはその日を最後に会っていない。訴えられなかっただけ感謝しよう。
 一応メールで左手の事は説明したが、信じてもらえなかった。
 最後の返事は、「病院にいけ」だ。

 言われたとおり病院にいき、恥を捨てて医者に事のあらましを全て伝えた。
 すると予想に反して医師は私の話に瞠目して耳を傾け、いきなり大病院への紹介を書いてくれた。
 そこで出会った六十前後と思わしきこの男性医師は、私のレントゲンを取ると悲痛そうな面持ちで病名を告げた。
「……神経性男性性欲指向腫瘍。いわゆる、悪性腫瘍の一つです」
 この病気は、腫瘍のできた神経が指向性を持って自らの体を弄りだすという特徴を持っている。
 多くは女性に発病し、その指向性は男の性欲と非常に似た動きをすることから名づけられたそうだ。
「ほうっておけば、あなたはあなたでなくなり、女の身体でありながら男の性欲を持った人間として生まれ変わることになる」
「そんな……」
「いや、大丈夫です。手術で腫瘍を取り除きましょう。早いうちに発見できてよかった」
 医師は朗らかに笑い、緊急のオペが開始された。
 ……それが、一週間ぐらい前の出来事だ。

 術後の経過は順調かに思われた。
 だがある日、私は突然ナースに劣情を抱き、女の身でありながら彼女を押し倒してしまった。
 幸い同じ病室の患者や他のナースが私を取り押さえてくれたから、大事には至らなかった。ジャマシヤガッテ
 すぐに例の医師が呼び出され、私は再びCTにかけられた。

 結果は、転移という残酷極まりない運命だった。

「脳に転移しています。ここに転移されてしまうと、現代の医学ではどうしようもできない」
 腫瘍は私の脳と癒着し、一部では同化もしているらしい。
 医者は自分の無力を嘆き、ひたすら私に謝罪した。


 運動性や思考力は衰えず、認識だけが緩やかに入れ替わっていく。
 今では女性を見るたびにヤリてぇと考えている。
 ナース服をびりびりに引き裂いてやりたい。
 同じ病室にいる薄幸そうな美少女の唇に吸い付きたい。
 お見舞いに来る幼女の体をくまなく舐め回したい。
 徐々に心が男性化していく毎日は、とても恐ろしい。だけど自殺する気はない。
 こんなに気持ち良いカラダを殺すなんて、もったいない。自らを慰めるたびに、強くそう思う。

 私はいったい、いつまで私のままでいられるのだろう……。




精神汚染ものが好きです

復讐の続きはもうちょっとかかります…
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