短編「ABCオブTS」 Y
「ABCオブTS」という短編を進めています
英単語26文字を頭文字にした短編です
二人称の怖い話ですのでTS的おいしさはちょっと…
yearn -憧れる-
僕の話を聞いてくれるのかい。ありがとう。
僕は二年の田無ユキオ。さっそくだけど、君には僕の体験した恐ろしい出来事を聞いて欲しいんだ。
君には、憧れの人物と言うのはいるかな?
それとも、君がみんなから憧れている? だとしたら嬉しいな。人気者に僕の話を聞いてもらえるんだから。
僕の知り合いにもね、羨望の眼差しを一身に受ける学園のアイドルと呼ばれる人がいたんだよ。
成績優秀で、スポーツ万能で、容姿端麗という絵に描いたような生徒でね。広い意味では男にも当て嵌められるけど、やっぱりアイドルといえば美少女を想像するよね?
彼女は矢村先輩といってね。もう卒業してしまったから一年の君は知らないだろうけど、そりゃあキレイな女性だったよ。
雪のような白い肌に、僕と比べるのも畏れ多いほっそりとした体付き。出るところは出ていて、そのくせ気取った感じもまったくない理想の美少女だったんだ。
かなりモテたけど、社交的な性格は同性ウケも良くてね。彼女はいつも、友達の女の子と固まって行動していたよ。
当然、カレシになりたいって男はたくさんいた。というか、恥ずかしながら僕もその一人だったんだ。
でもさ、アイドルなんて呼ばれている人がフリーだなんて誰が考える? ほとんどの男は、彼女には恋人がいるんだろうなという目で遠巻きに眺めるだけで満足していたよ。
たまにイケメンの人が自信満々で告白しに行っても、一秒でフラれるらしいよ。ウワサだけどね。
僕? やだなぁ、僕の容姿を見てそんな事を言っているのかい? 毎晩彼女の写真にぶっかけるのが精一杯だったこの僕に、告白する勇気なんてあるわけないじゃないか。
あ、そういえ写真を持ってくるのを忘れたなぁ。
今度、見せてあげるよ。矢村先輩がどれだけ美少女だったのか、一発でわかるよ。ちょっと黄ばんでいるけどね。ヒヒヒ。
でね、そんな彼女は一つ問題を抱えていたんだ。
その日もいつものように、普通に授業を受けて普通に帰り支度をしていた僕にね、彼女が声をかけてくれたんだ。
「こんにちは、田無君」
僕はびっくりしてしたよ。だって、憧れの矢村先輩がわざわざ下級生の教室に入ってきて、しかも僕の名前まで知っていてくれたんだよ?
放課後だからクラスにはもうほとんど人はいなかったけど、それでも何人かは残っていてね。女子たちは黄色い声を上げるし、男子からは嫉妬心むき出しの目で見られたりと、静かだった教室が一気に騒然としたんだ。
「あ、あああ、の、なにか、ようでございますですか」
僕もテンパッちゃってね。矢村先輩とのせっかくのファーストコンタクトを、そんな変な言葉で始めてしまったのさ。
「ここじゃちょっと……付いて来てくれるかな」
「は、はひぃ!」
僕はもう、心臓がどうにかなりそうなほどドキドキしていた。
ひょっとしたらって、そう思うだろ? 君も同じ男ならわかるよね?
僕は、近所のホテルはどこだったか調べておかなかったことに後悔したよ。
服の下に隠された裸を想像して、ズボンの中が膨らんじゃったりしてね。前を歩く先輩に気付かれないよう歩くのは大変だったなぁ。
……ねぇ、矢村先輩は、僕に何の用事だったと思う?
「いきなりでごめんなさい。実は、助けて欲しいの」
校舎裏まで来て周りに誰もいないことを確認すると、先輩は深刻そうな顔をして口を開いたんだ。
その瞬間、僕の妄想は粉々に砕け散ったよ。『あ、これはちがうな』ってすぐにわかった。
「最近ね……ちゃんと片付けているはずの部屋が、いつの間にか散らかされているの」
なんでも、寝て朝に起きると、いつのまにかタンスが勝手に開けられて下着や服が散らばっているらしい。
変質者かと思って警察に相談したりカメラを仕掛けたりしたんだけど……そこには、とんでもないものが映っていたんだ。
「私が寝ているとね、タンスが勝手に空いて……どんどん、中身が取り出されていくの」
まるで透明人間が服を漁っているような光景だったそうだよ。
あ、言い忘れていたけど僕には霊感があってね。実はこういう相談が結構来るんだ。
君も心霊関係で困った事があったら僕に相談しなよ。すぐに助けてあげるよ。
なぜ? 決まっているじゃんか。友達だからだよ。友達が困っていたら助けるのは当たり前だろう?
まぁ、今は矢村先輩の話を続けよう。
先輩の話を聞いた限りじゃ、間違いなくそれは心霊現象だ。
だから僕は彼女の家に行って、霊の出現を待ったのさ。
矢村先輩の両親は仕事で帰りが遅く、帰ってこない日もざらだった。
僕は部屋の中で霊の出現を待ち、先輩にはリビングの方で寝てもらったよ。
……ぬいぐるみとかが置かれた可愛らしい部屋でね。
呼吸をするたびに先輩の良い匂いが鼻の中に入ってきて、すごくすごく幸せな気分だった。
もちろん我慢したよ?
ベッドの中に飛び込みたい衝動を抑えて、パンツをくんくんしたい気持ちも堪えて、靴下を使ってオナニーしたい欲望を殺した!
あのときの僕はまさしく賢者だよ。どうしようもなく股間がキツかったけど、なんとか耐えたんだ。
……そんな僕の目の前で、いきなりタンスが開き、中からブラやショーツが飛び出したんだ。
考えられるかい? じっと我慢している僕を尻目に、霊は堂々と下着をくんくんぺろぺろし始めたんだよ! 許せないよね!
「や、矢村先輩は困っています! すぐに止めてください!」
本当なら掴みかかって殴り倒してやりたいけど、いかんせん相手は霊だ。僕には、話し合いで解決する以外の方法がなかったんだよ。情けないことにね。
すると、どうだろう。
何もなかった空間にいきなり黒い霧が現れて、見る見るうちに人の形を作っていったんだ。
≪オレ……アイツのタメニ、シネル。シンダ≫
「え?」
影は、僕の頭に直接語りかけたんだ。
≪アイツ、ヒトが死ぬのミタイ言った。オレ、屋上からトビオリタ≫
「……矢村先輩が、そんなこと言うわけ……」
≪アイツ、今度はヒトがタイホされるシュンカン見たいイッテタ≫
「!?」
霊の言葉には重みがあって、そして妙に実感がこもっていた。
まさか、と思うだろう? 思いたいよね。でも現実はそうはいかないんだ。
僕は、パトカーのサイレンが近づいてくるのを聞いた。
彼女が呼んだんだ……僕を変質者にして捕まえさせるために!
「い、いやだ……! 捕まりたくない!」
≪タスケテヤル。イウ通りにシロ≫
「ほ、本当に!?」
僕にはもう、この状況から救われるのなら、得体の知れない霊にだって縋りつきたかった。
方法も簡単だったよ。
引き出しにあったストッキングを使って、先輩を窒息させる。そして魂を失った彼女のカラダにこの霊が入り込み、口裏を合わせるって寸法さ。
人殺しは気が進まなかったけど、先にハメたのは彼女の方だ。
僕はリビングで『寝たフリ』をする先輩に忍び足で近づき、一気に絞め殺したよ。
ちょっと暴れたけど、寝込みを襲われた上に僕の体重を乗せられていたから、割と楽に窒息させられたんだ。
「は、ははは、や、やった……!」
達成感と、これで助かるのだという想いが溢れて、僕は興奮していた。彼女にまたがっているという状況も一役買っていたよ。もし時間があれば、あのまま犯してしまおうかと思ったほどさ。
≪アリガトウ……これで、ようやく憧れのカノジョになれる……≫
影の声が頭の中に響き、僕の中から黒い霧のようなものが抜け出ていった。
黒い霧はそのまま彼女のカラダの中に染み込むように侵入して……………………ごめんね。これ以上は覚えていないんだ。
気が付けば僕は彼女の家の傍にある公園のベンチで寝ていたんだ。
浮浪者っぽいおじさんに声をかけられて目を覚ますと、すでにあれから二時間は経っていた。
「こんな所で寝ていると、風邪引くよ」
「あ、あの……パトカーは?」
「はぁ? 今日はそんなもの、一台も通ってないよ」
君は、おじさんの言っている事が正しいと思うかい?
じゃあ、僕が聞いたパトカーのサイレンはなんだったんだろうね。
それに矢村先輩は……あの影は……。
次の日になっても、矢村先輩から僕に声がかけられることはなかった。
それどころか彼女は友達の女の子とのスキンシップばかり熱心になって、徐々に人気も落ちていったよ。元々特定の彼氏もいなかったし、レズ疑惑が持ち上がっても誰も不思議に思わなかったけどね。
でも時々、彼女とすれ違うとき、僕の方を見て笑うんだ。
いやらしい目で、憧れの人を独り占めしたような優越感丸出しの笑い方で。
まるで≪アリガトウヨ≫っていっているような気がして……僕はどうしようもなく、恐ろしい気持ちになるんだ。
自分は、とんでもないことをしでかしてしまったんじゃないかって、ね。
憧れって言うのはつまり、『こんな人になりたい』という願望の表れさ。
人間、ほどほどが……むしろ底辺に近い方が楽に生きられるのかもね。
君がもし、人から羨まれる立場なら……気をつけた方がいいよ。
『君になりたい』って思う存在が、君のカラダを狙っているかもしれないから。
僕の話は終わりだよ。
聞いてくれてありがとう。
次でラスト!
zenithの予定です
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英単語26文字を頭文字にした短編です
二人称の怖い話ですのでTS的おいしさはちょっと…
yearn -憧れる-
僕の話を聞いてくれるのかい。ありがとう。
僕は二年の田無ユキオ。さっそくだけど、君には僕の体験した恐ろしい出来事を聞いて欲しいんだ。
君には、憧れの人物と言うのはいるかな?
それとも、君がみんなから憧れている? だとしたら嬉しいな。人気者に僕の話を聞いてもらえるんだから。
僕の知り合いにもね、羨望の眼差しを一身に受ける学園のアイドルと呼ばれる人がいたんだよ。
成績優秀で、スポーツ万能で、容姿端麗という絵に描いたような生徒でね。広い意味では男にも当て嵌められるけど、やっぱりアイドルといえば美少女を想像するよね?
彼女は矢村先輩といってね。もう卒業してしまったから一年の君は知らないだろうけど、そりゃあキレイな女性だったよ。
雪のような白い肌に、僕と比べるのも畏れ多いほっそりとした体付き。出るところは出ていて、そのくせ気取った感じもまったくない理想の美少女だったんだ。
かなりモテたけど、社交的な性格は同性ウケも良くてね。彼女はいつも、友達の女の子と固まって行動していたよ。
当然、カレシになりたいって男はたくさんいた。というか、恥ずかしながら僕もその一人だったんだ。
でもさ、アイドルなんて呼ばれている人がフリーだなんて誰が考える? ほとんどの男は、彼女には恋人がいるんだろうなという目で遠巻きに眺めるだけで満足していたよ。
たまにイケメンの人が自信満々で告白しに行っても、一秒でフラれるらしいよ。ウワサだけどね。
僕? やだなぁ、僕の容姿を見てそんな事を言っているのかい? 毎晩彼女の写真にぶっかけるのが精一杯だったこの僕に、告白する勇気なんてあるわけないじゃないか。
あ、そういえ写真を持ってくるのを忘れたなぁ。
今度、見せてあげるよ。矢村先輩がどれだけ美少女だったのか、一発でわかるよ。ちょっと黄ばんでいるけどね。ヒヒヒ。
でね、そんな彼女は一つ問題を抱えていたんだ。
その日もいつものように、普通に授業を受けて普通に帰り支度をしていた僕にね、彼女が声をかけてくれたんだ。
「こんにちは、田無君」
僕はびっくりしてしたよ。だって、憧れの矢村先輩がわざわざ下級生の教室に入ってきて、しかも僕の名前まで知っていてくれたんだよ?
放課後だからクラスにはもうほとんど人はいなかったけど、それでも何人かは残っていてね。女子たちは黄色い声を上げるし、男子からは嫉妬心むき出しの目で見られたりと、静かだった教室が一気に騒然としたんだ。
「あ、あああ、の、なにか、ようでございますですか」
僕もテンパッちゃってね。矢村先輩とのせっかくのファーストコンタクトを、そんな変な言葉で始めてしまったのさ。
「ここじゃちょっと……付いて来てくれるかな」
「は、はひぃ!」
僕はもう、心臓がどうにかなりそうなほどドキドキしていた。
ひょっとしたらって、そう思うだろ? 君も同じ男ならわかるよね?
僕は、近所のホテルはどこだったか調べておかなかったことに後悔したよ。
服の下に隠された裸を想像して、ズボンの中が膨らんじゃったりしてね。前を歩く先輩に気付かれないよう歩くのは大変だったなぁ。
……ねぇ、矢村先輩は、僕に何の用事だったと思う?
「いきなりでごめんなさい。実は、助けて欲しいの」
校舎裏まで来て周りに誰もいないことを確認すると、先輩は深刻そうな顔をして口を開いたんだ。
その瞬間、僕の妄想は粉々に砕け散ったよ。『あ、これはちがうな』ってすぐにわかった。
「最近ね……ちゃんと片付けているはずの部屋が、いつの間にか散らかされているの」
なんでも、寝て朝に起きると、いつのまにかタンスが勝手に開けられて下着や服が散らばっているらしい。
変質者かと思って警察に相談したりカメラを仕掛けたりしたんだけど……そこには、とんでもないものが映っていたんだ。
「私が寝ているとね、タンスが勝手に空いて……どんどん、中身が取り出されていくの」
まるで透明人間が服を漁っているような光景だったそうだよ。
あ、言い忘れていたけど僕には霊感があってね。実はこういう相談が結構来るんだ。
君も心霊関係で困った事があったら僕に相談しなよ。すぐに助けてあげるよ。
なぜ? 決まっているじゃんか。友達だからだよ。友達が困っていたら助けるのは当たり前だろう?
まぁ、今は矢村先輩の話を続けよう。
先輩の話を聞いた限りじゃ、間違いなくそれは心霊現象だ。
だから僕は彼女の家に行って、霊の出現を待ったのさ。
矢村先輩の両親は仕事で帰りが遅く、帰ってこない日もざらだった。
僕は部屋の中で霊の出現を待ち、先輩にはリビングの方で寝てもらったよ。
……ぬいぐるみとかが置かれた可愛らしい部屋でね。
呼吸をするたびに先輩の良い匂いが鼻の中に入ってきて、すごくすごく幸せな気分だった。
もちろん我慢したよ?
ベッドの中に飛び込みたい衝動を抑えて、パンツをくんくんしたい気持ちも堪えて、靴下を使ってオナニーしたい欲望を殺した!
あのときの僕はまさしく賢者だよ。どうしようもなく股間がキツかったけど、なんとか耐えたんだ。
……そんな僕の目の前で、いきなりタンスが開き、中からブラやショーツが飛び出したんだ。
考えられるかい? じっと我慢している僕を尻目に、霊は堂々と下着をくんくんぺろぺろし始めたんだよ! 許せないよね!
「や、矢村先輩は困っています! すぐに止めてください!」
本当なら掴みかかって殴り倒してやりたいけど、いかんせん相手は霊だ。僕には、話し合いで解決する以外の方法がなかったんだよ。情けないことにね。
すると、どうだろう。
何もなかった空間にいきなり黒い霧が現れて、見る見るうちに人の形を作っていったんだ。
≪オレ……アイツのタメニ、シネル。シンダ≫
「え?」
影は、僕の頭に直接語りかけたんだ。
≪アイツ、ヒトが死ぬのミタイ言った。オレ、屋上からトビオリタ≫
「……矢村先輩が、そんなこと言うわけ……」
≪アイツ、今度はヒトがタイホされるシュンカン見たいイッテタ≫
「!?」
霊の言葉には重みがあって、そして妙に実感がこもっていた。
まさか、と思うだろう? 思いたいよね。でも現実はそうはいかないんだ。
僕は、パトカーのサイレンが近づいてくるのを聞いた。
彼女が呼んだんだ……僕を変質者にして捕まえさせるために!
「い、いやだ……! 捕まりたくない!」
≪タスケテヤル。イウ通りにシロ≫
「ほ、本当に!?」
僕にはもう、この状況から救われるのなら、得体の知れない霊にだって縋りつきたかった。
方法も簡単だったよ。
引き出しにあったストッキングを使って、先輩を窒息させる。そして魂を失った彼女のカラダにこの霊が入り込み、口裏を合わせるって寸法さ。
人殺しは気が進まなかったけど、先にハメたのは彼女の方だ。
僕はリビングで『寝たフリ』をする先輩に忍び足で近づき、一気に絞め殺したよ。
ちょっと暴れたけど、寝込みを襲われた上に僕の体重を乗せられていたから、割と楽に窒息させられたんだ。
「は、ははは、や、やった……!」
達成感と、これで助かるのだという想いが溢れて、僕は興奮していた。彼女にまたがっているという状況も一役買っていたよ。もし時間があれば、あのまま犯してしまおうかと思ったほどさ。
≪アリガトウ……これで、ようやく憧れのカノジョになれる……≫
影の声が頭の中に響き、僕の中から黒い霧のようなものが抜け出ていった。
黒い霧はそのまま彼女のカラダの中に染み込むように侵入して……………………ごめんね。これ以上は覚えていないんだ。
気が付けば僕は彼女の家の傍にある公園のベンチで寝ていたんだ。
浮浪者っぽいおじさんに声をかけられて目を覚ますと、すでにあれから二時間は経っていた。
「こんな所で寝ていると、風邪引くよ」
「あ、あの……パトカーは?」
「はぁ? 今日はそんなもの、一台も通ってないよ」
君は、おじさんの言っている事が正しいと思うかい?
じゃあ、僕が聞いたパトカーのサイレンはなんだったんだろうね。
それに矢村先輩は……あの影は……。
次の日になっても、矢村先輩から僕に声がかけられることはなかった。
それどころか彼女は友達の女の子とのスキンシップばかり熱心になって、徐々に人気も落ちていったよ。元々特定の彼氏もいなかったし、レズ疑惑が持ち上がっても誰も不思議に思わなかったけどね。
でも時々、彼女とすれ違うとき、僕の方を見て笑うんだ。
いやらしい目で、憧れの人を独り占めしたような優越感丸出しの笑い方で。
まるで≪アリガトウヨ≫っていっているような気がして……僕はどうしようもなく、恐ろしい気持ちになるんだ。
自分は、とんでもないことをしでかしてしまったんじゃないかって、ね。
憧れって言うのはつまり、『こんな人になりたい』という願望の表れさ。
人間、ほどほどが……むしろ底辺に近い方が楽に生きられるのかもね。
君がもし、人から羨まれる立場なら……気をつけた方がいいよ。
『君になりたい』って思う存在が、君のカラダを狙っているかもしれないから。
僕の話は終わりだよ。
聞いてくれてありがとう。
次でラスト!
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