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短編「ABCオブTS」 Z

「ABCオブTS」はこれで終わります

最後はもちろん、ダークで逝きます
エロは軽めなので期待はなさらないよう
英単語26文字を頭文字にした短編です



zenith -絶頂-

・一日目
 ゼンくんはあたしのものだ。きっと、ゼンくんだってあたしがいちばんスキにきまっている。
 エイちゃんなんかにわたさない。
 エイちゃんなんかだいきらいだ。いなくなっちゃえばいいのに。

・二日目
 エイちゃんがへんになった。
 おようふくをぬいで、じぶんのからだをベタベタとさわっている。
 とってもきもちわるいわらいかたをして、「すげぇ、すげぇ」っていってる。なんだか、おとこのひとみたい。
 きょうはおともだちのしぃちゃんにだきついて、パンツをぺろぺろしていた。
 しぃちゃんはおもらししちゃって、エイちゃんはくちのまわりがベタベタになっていた。
 しぃちゃんがないているとケイせんせーがきて、エイちゃんをおこった。おもらししたのはしぃちゃんなのに、へんなの。

・三日目
 最近、私の担任するクラスの子がおかしい。
 大人しくて引っ込み思案だった彼女の面影は今やすっかり消え失せ、まるで変質者のようになってしまった。
 幼い身体を開発するかのごとく執拗に性器をいじり、他の子が見ている前ではしたなく喘ぐさまはとても年相応には見えない。
 先日など、ついに同級生の女の子に手を出した。
 女の子同士だったのが幸いしたが、このままいけばいずれ男の子ともセックスをしてしまうかもしれない。
「だめよ、そんなの……!」
 精通どころか勃起機能も備わっているか怪しい年頃だが、そういう問題ではない。
 性の営みを知るには、あの子たちには十年早い。
「カタイこと言うなよ、せ・ん・せ・い」
「!?」
 幼い可愛らしい声が背後からかかり。
 そして私は、私でなくなった。


・四日目
「今日はみんなに、大人についてお勉強をしてもらいます」
 私はにこやかにそう言うと、セーターとスカートを一気に脱ぎ捨てた。
 ガキ共の視線が、下着姿の私に集まる。まだ精通前のくせして鼻息を荒げるオスガキもいた。
「いいですかみなさん。女の人のカラダは、とっても気持ちよくできているんです」
 めくり上げるようにして手のひらの上に胸を滑らせると、ぷるんっ、と漫画のように片乳が弾んだ。未発達なガキの体とは大違いだ。
「まずはおっぱいをしゃぶってみましょう。男の子と女の子で二人一組になって。あ、エイちゃんは手伝ってね」
「はーい」
 エイちゃんがにやにやしながら私の胸にしがみつく。
 ガキ共は何が起こっているのかもわからず、しかし言われたとおりそれぞれペアになった。
「こーら、みんなゼンくんに集まりすぎよー? 男の子があまっているじゃない」
「えー」「だってー」「あたし、ゼンくんがいい!」
 甲高い声で、やいのやいのと言い訳をしている。
 女はガキの頃からイケメン至上主義だというのが良くわかる光景だ。
「しょうがないなー。じゃあ、あまった男の子はエイちゃんと一緒に先生のお手伝いね」
「う、うん」

 それから私はガキ共に私の肉体を教材にしてありったけの性知識をぶち込んでやった。
 また、このカラダは随分カレシに使われていたようで、子供のつたない愛撫でも簡単にイクことができた。
 ただガキは手加減というものを知らず、こっちがイッてるのにさらに愛撫を続けてきたのは困った。何度絶頂を迎えてもすぐにまた次の絶頂が来る。
「ちょ、てめぇ、ら、いいかげ……あ、ああああああ!!」
「うわー、せんせいすごいおもらししているー」
 エイまでもが私をそう言って辱めやがる。
 だが、女のイキ狂いというものを体験してみたい願望はないでもなかった。
 そんな私の気持ちもわかっているからそこ、エイは敏感なところを攻め続ける手を休めなかったのだろう。
「あっ、あ、あああッ!」
「何をしているんですか! 桂先生!」
 トンでしまいそうになる私の意識は、男のダミ声によって強制的に引き止められてしまった。


・五日目
「まったくけしからん!」
 私はいまだに怒り冷めやらず、帰路の途中で憤怒の叫びを上げた。
 先日、私の経営する学園で一人の女性職員が不祥事を起こした。おかげで今日は一日中謝罪のし通しだ。
「真面目な人だと思ったのに、裏切られた気分だ……」
 もちろん彼女には懲戒免職を受けてもらった。未来を担う子供たちにあろうことか風俗まがいの事をしでかしたのだ。当然の罰である。
 不思議なのは、免職を言い渡されたのに文句や言い訳の一つも出てこなかったことだ。
 反省の色がない。それどころか、さらなる悪事でも思いついたかのように、彼女はニタニタと気味の悪い笑みを浮かべていた。

「ただいま」
 我が家の玄関を開けて声をかけるが、誰も出迎えには来なかった。娘は思春期で父親を毛嫌いし、妻ともめっきり会話が減ってしまった。
 まぁ、仕方がない。これも男親のさだめというものだろう。
 しかしそれにしては妙だ。
 いつもなら聞こえてくるはずのテレビの音や料理をする音がまったくしない。
「んっ、あ、ああ……! す、すげぇ……!」
「こっちもだ……肌もまだピチピチで……こんなでっけぇ娘がいるなんて思えない……んぁっ!」
 代わりに聞こえてきたのは、女二人の喘ぎ声だった。

 足音を殺してリビングのドアを開けると、そこには娘と妻が一糸まとわぬ姿で向かい合っていた。
「はぁー、たまんねぇな……娘のオナニー見ながら女のカラダでイクなんてさぁ」
「もー、また先にイッちゃたの? 勝負にならないじゃない」
「仕方ないでしょ。あのダミ声野郎、最近全然手を出してこなくてご無沙汰なんだから」
「あー、わかるわ。あの声、キメェもん」
「……な、それより、今度は二人で気持ちよくなろうぜ。アソコをこすり合わせるヤツ。もう我慢できねぇよ」
「貝合わせかぁ? ったく、好きだねお前も」
「お前だって知っているだろう? お前は、俺なんだから」
「ひひ、まぁな」
 まるで男のような言葉遣いで、下卑た笑みを浮かべながら裸の娘と妻が寄り添う。
 唇を重ね、舌を突き出して絡ませあい、お互いの乳房を揉みしだく光景を見て、おぞましいことに私の一部分が膨れ始めてしまった。
「おい、そこの覗き魔!」
「せっかくなら、家族みんなで楽しみましょうよぉ。あ・な・た」
 別人のようになった二人の突然の言葉に、私はただただ愕然とするしかなかった……。


・七日目
 エイちゃんはゼンくんじゃなくて、しぃちゃんがスキだったみたいです。
 しぃちゃんはなんだかとってもこわがっていて、エイちゃんがちゅーをするとないちゃいました。
「これはね、うれし泣きって言うんだよ」
 エイちゃんはなんでもしっています。

 ケイせんせーはどこかへいっちゃいました。
 ケイせんせーのおべんきょうはたのしくてきもちよかったので、ぜったいにほかのおともだちにおしえてあげたいとおもいます。
 このまえこうえんにいったら、しらないおじさんたちといっしょにいるケイせんせーをみつけました。
 げんきそうでよかったです。

 えんちょーせんせいはしんじゃいました。
 おくさんやむすめさんとむりしんじゅーっていうのをしたらしいです。
 かわりにあたらしいえんちょーせんせいがきました。
「いいですかみなさん。最高の人生を目指しましょう。その邪魔をする人間は、排除しても構いません!」

 おねえちゃんは、ゼンくんとえっちしたあたしをおこりました。
 あたしとゼンくんの「さいこうのじんせい」をじゃましようとしているみたいです。
 こんど、はいじょしたいとおもいます。





終わりです
拍手やコメントをくださった方、投票していただいた方、ネタやプロットを下さった方、全てに感謝します
実行できなかった単語もあり、申し訳ありませんでした
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No title

三日目と四日目の先生のギャップが素晴らしいです……
一人称なのに口調が……口調が!!
そしてお疲れ様でした!
26本おいしく堪能させていただきました!

返礼

>tsuniverse さん
コメントありがとうございます
26のうち1つでも気に入っていただけたものがあれば嬉しいです
それと眼鏡シリーズおいしいです!