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亡霊犯+ ~廃校の亡霊裏1


表で公開した「亡霊犯+」の亡霊サイドです

1、まず獲物を用意します

 亡霊犯+ 廃校の亡霊裏 1


 俺が亡霊として現世へ舞い戻ってきてから一年ほどが経つ。
 もちろん、その間ただ漫然と過ごしていたわけがない。この世には、俺のまだ見ぬ美少女がごまんといる。そいつらを全員犯すまで、俺は決して成仏をすることはないだろう。
「ボス、よろしいですか」
「うん?」
 新アジトの廃校でくつろいでいると、部下のミヤガセが音もなく姿を現した。
 カラダを起こすと、起き上がった拍子に胸が揺れる。しかし、いまさらその程度のことで違和感は覚えない。
 この草木シヅルという女刑事のカラダを乗っ取ってからずいぶん時間も経った。いまではすっかり慣れたものだ。
「何の用だ?」
「はい……実は、お伝えしたい事がありまして」
 そういい、ミヤガセは新聞を差し出してくる。
 隣国との衝突、政治家の不正、横行する詐欺、愛憎からくる殺人。俺のしている陵辱など生ぬるく思えるほど、この国は事件で満ち溢れていた。
「世間は相変わらずだな。それで?」
「小さな記事ですが、草木シヅルの顔写真が公開されています」
「ほう」
 新聞を開いてみると、確かに【行方不明の刑事、顔写真を公開】という見出しと、小さな顔写真が載っている。
 この草木シヅルの肉体は、俺が一番最初に復活した街で持ち帰った器だ。
 自由の身になるため同行していた刑事を撲殺したが、今思えば早計だったかもしれない。
「そろそろ潮時か」
「えぇ。顔が割れた以上、狩りがやりづらくなるのは間違いありません」
 ミヤガセはタバコをくゆらせながら、口端を吊り上げ首肯する。
「楽しそうだな」
「くっくっく……ボスはこのまま何もせずそのカラダを放棄するつもりで? 違うでしょう」
「……ふん」
 この男の言うとおり、ただで草木シヅルにカラダを返してやるつもりはない。
 派手に事件を起こし、その罪を全て被ってもらおうじゃないか。
「まとまった獲物を探すぞ。残りの部下たちにも伝えておけ。……少女狩りだ」
「くく、久しぶりに楽しめそうですなぁ」
 ミヤガセは俺の言葉に邪悪な笑みを浮かべると、すぅっと煙のように姿を消した。
「さて、俺も行くか」
 ミヤガセから受け取った新聞を捨て、教室を出る。
 汚くて薄暗い、いまにも朽ち果てそうな廊下だ。
 だが、しばらくすればこの色気のない空間も少女たちの悲鳴で彩られる。
 そのときが楽しみだ。



 少女狩りは生前の俺たちが好んだゲームだ。
 美少女たちを一箇所に集め、部下たちと襲っていく。脱出できれば少女たちの勝ち。できなければ俺や部下たちが飽きるまで慰み者になる。
 逃げられれば、こっちが窮地に立たされる。その緊張感があるからこそ、俺も部下も必死になって少女を捕らえた。事実、少女狩りを行って脱出できた者は一人としていなかった。
 問題があるとすれば、美少女を集めるのが難しい点だ。
 狩る側は俺を含めて四人。ならば少なくとも四人以上の美少女を集めなければ盛り上がりに欠ける。加えて、亡霊である今現在は女の穴を塞ぐための肉体も必要だ。
 つまり最低でも男を一人用意しなければゲームが成り立たない。顔写真が公開され、指名手配のような扱いを受けているシヅルでは六人以上を連れさらうのはかなり難易度が高い。
「まぁ、そこは部下たちが来てから考えるか……」
 雑木林を突き進みながら、一人ごちる。
 田舎なだけあって若い女は少なく、美少女ともなればまったく見かけなかった。
 だから地元で獲物を見つけようなどとは思っていない。しかし老人の経営するさびれた旅館があることは知っていた。
 時期も時期だし、浮かれた若者が旅行に来ているかもしれない。メンバーが美少女ぞろいなら更に望ましい。
 過度な期待はせず、俺は山歩きには不向きすぎるスーツ姿のまま旅館を目指すのだった。

「そこのお姉さん!」
 男の声が聞こえ、振り向く。
 金髪の男が手を挙げて俺に近づいてきていた。
「ちわっす。お姉さん、こんなところで何しているんスか」
 へらへらと薄っぺらい笑顔を浮かべながら、俺の目の前に立つ。
「別に? ただの散歩よ」
 俺は謎めいた女を演じてみせるため、男に意味深な笑みを浮かべてやった。
 果たして狙い通り、男はそんなシヅルに興味を示したらしい。
「あ、オレ、ヌクイっていいます。お姉さんは?」
「……草木シヅル」
 顔と名前を明かしても、男は相変わらずニヤニヤと笑い、俺の胸に視線を注いでいる。
「シヅルさんッスかぁ、素敵な名前っすね!」
 どうやらこの男は『草木シヅル』のことを知らないようだ。
「オレたち、いま旅行に来てるんスよ。一緒にどッスか。あっ、もちろん女の子もいるから安心してください!」
「へぇ、女の子も? ……何人いるの?」
「えっと……全部で七人。男三人と女が四人ッス」
「その中に可愛い子は?」
「はい?」
 男は面食らったような顔をして、怪訝そうな声を出す。しかしこの草木シヅルの容姿は、軽薄な男の警戒心など一気になぎ払える魅力を持っていた。
 にっこりと微笑んでやると、男は途端に頬を弛緩させる。胸の谷間でも覗かせてやればより完璧だが、そこまでサービスするつもりはない。
「み、みんな可愛いッスよ。特にオレのイチ押しはかれんちゃんッス! 岩屋とか七倉も見た目は良いんすけど性格アレで、やっぱかれんちゃんが最強ッス! ああ、でも真衣たんも捨てがたい! ……で、でも、シヅルさんもすっげー綺麗ですよね!」
(……かれん? 七倉?)
 どこかで聞いたことのある名前だった。
 なんにせよ、好都合だ。シヅルを綺麗だと思えるのならこの男の目が節穴というわけでもない。
 美少女が四人もいる。しかも、男のカラダも三つ。少女狩りの条件は十分に満たしていた。
「ねぇ、近くに面白い場所があるの。夜になったら行ってみない?」
「面白い場所?」
「今は使われていない学校。地元じゃ有名な心霊スポットなのよ」
 それから俺は、ヌクイとかいう男にアジトの場所と適当ないわくをでっちあげてやった。
「うわ……それマジっすか」
「別に、信じるも信じないもあなた次第よ。……でも、可愛い女の子たちと親しくなれるチャンスだって事は、覚えておいてね」
 最終的な判断は彼らに任せ、俺は男に背を向ける。無理強いをして怪しまれては元も子もない。
 これで来ないようなら、こちらから迎えに行けば良いだけだ。



「ボス、ご無沙汰しています」
 アジトに戻ると、体中から血を流したワイシャツの男がいた。
 全身は透けていて、明らかに生者ではない虚ろで不気味な空気を纏っている。
「クロベか。よく戻ったな」
「はっ」
 俺が声をかけると、まるでひざまずくように深く頭を低くした。
 忠臣ぶりは健在のようだ。
「ボスぅ~、今回は僕も狩りに参加させてくれるんですよねぇ」
 頭の半分が潰れている太った男が、醜い顔を擦り寄せてくる。
 肌に張り付くような声と粘着質な雰囲気は、おぞましいの一言に尽きた。
「もちろんだとも、サクマ。……だからあまり近づくな」
「ふひひ、サーセン」
 まったく反省の感じられない言葉だった。
 これで部下の中では最も頭の切れる男なのだからわからないものだ。
「さぁて……これで全員揃いましたな」
 サングラスをかけた大男が、タバコをふかしながら薄ら笑いを浮かべている。
 そう、これで全員。
 かつて世間を賑わせた、少女連続誘拐事件のメンバーだ。
「クロベ、サクマ、ミヤガセ」
 そして亡霊となった今も、俺たちのやることは変わらない。
「少女狩りを始めるぞ」
「はっ」
「ふひひ」
「くくっ」

 このメンバーで、少女たちに一生忘れられない思い出を刻み付けてやろう。
 今から楽しみだ。





2、狩りを楽しみます
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本編キター!

コメントありがとうございます

> N.D さん
『+』ですので! 追加データ的なもので!