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亡霊犯+ ~廃校の亡霊裏2


廃校に肝試しに来た男女を絶望させていく話です


1、まず獲物を用意します
2、狩りを楽しみます
  獲物を追い詰めましょう。殺さないように注意してください


 亡霊犯+ 廃校の亡霊裏 2



 日が落ちると、アジトの中は真っ暗になる。
 窓は全て塞がれ、出入り口は正面玄関のみという建造物はまるで学校というより監獄のようだ。
 だが木目の隙間からは月明かりが差し込み、目を慣らしさえすれば歩き回るのに何の不都合もなかった。
 そもそも俺たちに視覚など意味がない。感覚変換を脳に依存しない亡霊は、暗がりだろうがはっきりと人の顔が判別できる。
「ボス、連中が来ました。入り口の手前で何やら話し合っています」
「わかった」
 昼間に出会ったナンパ男はうまく誘い込んでくれたらしい。
 俺は今現在取り憑いているシヅルの肉体から抜け出すと、部下たちとともに正面玄関へと降りた。


「クジのやり直しを要求する。かれんが穢される」
「両手に花! っつっても、山女と壁女じゃなぁ……」
「はぁ? 何それ喧嘩売ってるわけ?」
 入り口から外を窺うと、昼に出会った男の他に六人の男女が集まって何か騒いでいた。
 どうやらそれぞれペアになって肝試しをするつもりらしい。分散してくれるのならこちらとしても好都合だ。
「よし……連中が校舎に入ったら狩りを始めるぞ。カラダを得た者は俺に報告するように。それと、クロベ」
「はっ」
「お前は全員が校舎に入るのを確認したら、逃げられないよう入り口に鍵を掛けろ。多少スタートが遅れてしまうが、いいな?」
「問題ありません。お役に立てれば光栄です」
「ああ、頼む」
 互いに口端を吊り上げると、クロベはその表情のまますぅっと姿を消した。
 おそらくシヅルの肉体を取りに行ったのだろう。鍵を掛けるのにも肉体が必要なのだから霊体は不便なものだ。
 もっとも、恩恵の方が大きいとは思う。先ほど言った暗がりでも関係のない視界に、生きた人間への憑依。浮遊や、壁抜け、床抜け。そして……。
「ふひひ、じゃ、ボクはまずあの子達のパンツチェックしてきます」
 不気味な笑みを浮かべ、サクマがふらふらと校舎から出て行く。
 地面すれすれの位置で仰向けになると、水中を漂うようにそのまま水平移動をし、連中の元へと近づいていった。
 少女たちの脚の間に、頭の潰れた亡霊が割って入る。宣言通り、スカートの中を思う存分堪能しているのだろう。
「……物好きめ」
 わざわざ覗かずとも捕らえてしまえば見放題だろうに、サクマは亡霊であるのをいいことに気に入った少女の下着をああやって拝んでいる。
「『自然体で見えるパンツにこそ価値がある』でしたか。『陵辱中のパンツは恥ずかしい布切れであってパンツではない』とも力説していましたね」
 ミヤガセが含み笑いをしながらサクマの主張を唱える。
 俺は曲がりなりにもあの男のボスだが、時々ヤツの言っている事がまったく理解できなかった。
 連中を見ると、一組の男女がしぶしぶとした足取りで校舎に近づいてきている。眼鏡をかけたインテリ風の男と、狐のような細い目をしたロングスカートの女だ。
「いよいよ、か」
「いよいよですな」
 ミヤガセが大きく煙を吐き、タバコを踏み潰す。まるっきり生きている人間の仕草そのものだった。
「お前はどこにも行かないのか?」
「長く狩りを楽しむのなら、カラダを得る機会は早い方がいい。でしょう?」
「同感だな」
 しかし相手が覚醒状態では憑依はできない。
 どうやって相手の心を弱らせ気絶させるか。それが問題だ。
「なぁに、この学校は霊場です。勘の鋭い人間なら、この建物に十分もいれば我々の姿を認識できるでしょう」
 心を呼んだかのようなタイミングで、薄ら笑いを浮かべながらミヤガセが説明をする。
 そうだ。俺たち亡霊は大なり小なりおぞましい姿をしている。
 この姿を見せ付けてやれば、気の弱い人間はそれだけで気絶するだろう。
「『リアル肝試し』といったところか」
「くくっ。霊の存在を見くびるなということでさぁ」
 そうこうしているうちに、例の男女が入り口の前まで来た。
「くだらない……最短ルートで終わらせるぞ」
「はい、それがいいと思います」
 ため息をこぼしながら、半開きになっていた学校の入り口を開けて二人が中に入って来る。
 きしんだ扉の音は、狩りの始まりを告げる合図のようだった。

***

「まったく、くだらない」
 隣から来る苛立った声を聞きながら、川俣真衣は懐中電灯を構え荒廃した学校の廊下を照らした。
 木造の校舎はところどころで床が剥がれ、あちこちでささくれ立っている。気をつけて進まなければ怪我は避けられないだろう。
「だいたいこれは住居不法侵入。立派な犯罪だ。それなのにあの連中と来たら夏の思い出がどうだとか空気が読めないとか……」
 並んで歩く眼鏡の男は、さっきからずっとこんな調子で悪態をついている。
 友人の岩屋利香の幼馴染らしいが、真衣にとってこの上野という男は顔を知っているだけのクラスメイトでしかない。当然、心証は悪くなる一方だ。
「まぁまぁ落ち着いてください。とにかく、早くゴールまで行きましょう?」
「むっ……そうだな。長居はしたくないし、何といってもこういう場所は……」
「霊の吹き溜まりですからね」
「浮浪者の溜まり場だからな」
 真衣と男の声が重なる。
 お互いの台詞は聞き取れたらしく、二人はそれぞれうろんな眼差しで相手を見つめていた。
「川俣真衣。キミは、霊などという存在を信じているのか?」
「信じるも信じないも……見えてしまうのです。たまに、ですけど」
「……そういう話は、七倉と二人でやってくれ」
 見下すような視線と心底から冷笑するような声でそれだけ言うと、上野は懐中電灯を引ったくり足早に先へと進んでいく。
 その後ろに続きながら、真衣は暗い気持ちで後悔した。
 彼の言う通り、今の話はオカルトにただならぬ興味を持つ七倉長見に語るべき内容だった。
 しかし自分には霊感があるなどと吹聴するには、真衣は賢すぎた。
 否定派からは侮蔑交じりの声を浴びせられ、肯定派からは神か何かのように崇められる。そうした反応が明白だからこそ、本当に信頼できる人間以外には自分の霊感体質を明かしていなかった。
 では、なぜいま。親しくもなんともないオカルト否定派の上野に、口を滑らせてしまったのか?
(ここには……霊がいる……)
 校舎に入った瞬間、背筋に冷たいものが走った。あの感覚は、霊の気配だ。しかもただの亡霊ではない。
 強烈な悪意を持つ、恐ろしい悪霊だ。事実、明らかに人間ではない二つの視線が先程からずっと自分たちを監視していた。
 霊は一体ではなく複数いる。本来なら今すぐ引き返して仲間たちにそのことを伝えたかったが、そうなると七倉長見を筆頭にして好奇の目が注がれるだろう。
 他人との交流が極端に少なく、オカルトにも否定的な上野だからこそ、自分の秘密を漏らしても平気だと思い警告したのかもしれない。しかし、結果は散々だった。
(大丈夫……まだ、平気)
 霊たちは今すぐ襲い掛かってくる気配はない。
 上野の言う通り、最速で終わらせればやり過ごせるかも……。
 真衣はそんな風に楽観し、背後を振り向いてしまった。
「ひっ!?」
 思っていたよりもずっと近くに、ソレはいた。
 サングラスをかけた大男と、顔のない裸の男が、真衣のすぐ後ろに立っている。
「……どうやら俺たちの姿が見えるらしいな」
「そのようですなぁ。どうやら先程の話……嘘ではないようです」
「霊感持ちか、好都合だな」
 顔のない亡霊が、音もなく迫ってくる。
 骨と皮だけの透けた白い手が、目の前に差し出される。
「いっ、いやああああああ!!」
「川俣!?」
 上野を押しのけ、真衣は闇に呑み込まれるように廊下の奥へと消えていった。


 暗闇の中を走り続けることは想像以上に体力を消耗する。足場が悪いのなら尚更だ。
「はぁっ、は、はぁ!」
 もともと体力がある方でもない真衣は、すぐに息切れを起こしてしまった。
 しかしそれでも足は止まらない。
 霊を目の当たりにしたことで、懸念は確信へと変わった。
 この学校に巣食う霊たちは、自分たちに危害を加える気だ。あの顔のない亡霊を見た瞬間、それを直感的に悟った。
 上野を置き去りにしてしまったが、彼はいましばらくは平気だろう。
 霊は、霊感のある人間への接触を優先する。彼らの会話からも、自分が狙われているのは明らかだった。
 だから、逃げなくては。
 闇の中であろうと、足元が悪くても、もうこれ以上走れなくても────。
「あっ」
 叫び声と、足がもつれたのはほぼ同時だった。
 ロングスカートの裾が壁から突き出たささくれに引っかかり、真衣の全身に急ブレーキがかかる。よろめきかけていた脚にそれを耐え切るだけの力は残されてなく、スカートを引き裂きながら彼女の体は床に倒れ伏してしまった。
「あぅっ! はぁっ、はぁ、い、痛……動かな……」
 一度止まってしまうと、もう立ち上がれない。それほどまでに真衣の体力は消耗しきっていた。
「誰か……」
 這いつくばりながら、それでも懸命に体を動かす。
 転んだ拍子に傷を負ったのか、裂けたスカートから覗く白い太ももに、いくつもの小さな赤い線が走っている。細く美しい腕も同様だった。
 その姿はまるで、巣から落ちた憐れな小鳥だ。
「疲れたか? 痛いか?」
「!」
 ふいに、頭上から男の声がかかる。
 上野、ではない。
「ならば俺がそれを肩代わりしてやる」
 冷たい空気が全身に覆いかぶさる。
 急速に冷えたカラダは痙攣し、彼女の口から呻き声が漏れた。
「は、う……ぐ……苦し……」
「さあ、カラダを明け渡せ」
 すぐ耳元で聞こえた冷徹な声を最後に。
 真衣の意識は、闇の中へと沈んでいった

***

「……い、おい、川俣!」
「う……?」
 身体を揺すられる感覚に意識を起こされ、薄らと目を開ける。
 眼鏡をかけた男が、心配そうに見下ろしていた。
「起きたか。一体何があった? 急に走り出すなんて」
「…………霊を、見たの」
「そんな話でごまかさないでくれ……はぁ、もういい」
 上野はため息をつくと、懐中電灯で左脇にある階段を照らしたをさまよわせた。
「くだらない嘘が吐ける元気があるのなら、手を貸す必要もないだろ。早く行くぞ」
「…………そう、ですね」
 こちらの返事も聞かず、上野は足早に階段を上っていく。
 『俺』はそんな男の背中を見送りながら、たった今自分のものになった両手を握り締めた。
「……悪くないカラダだ」
「何をしている? 早く来い」
 階段の踊り場から、苛立った上野の声が聞こえる。
「まったく……言葉遣いのなっていない小僧だ」
 インテリを気取り、自らの信じる世界は絶対不変と思い込んでいる、典型的な勘違い男だ。
 ここはひとつ、人生の先輩として教育せねばなるまい。
「それにしてもなんだ? この臭い……タバコか?」
「タバコ?」
 階段を上がりながら。踊り場でイライラする上野に近づく。
「あぁ、間違いないタバコの臭いだ。僕がこの世でもっとも嫌いなものだ」
「へぇ」
 ふと、愛煙家の部下を思い出す。
 あいつは逃げ出した真衣を追って来なかった。
「だいたい、タバコを吸う人間は僕に言わせれば麻薬中毒者と変わらん。健康を害するにもかかわらず中毒性があり、あまつさえ周囲にも被害を及ぼしているんだぞ? 加えて喫煙者どもはその自覚を全く持っていない、クズばかりだ」
「言うじゃねぇか、クソガキ」
 息巻いて喫煙者を罵る上野の言葉にかぶせるように、野太い男の声がする。
「なっ……がっ!?」
 懐中電灯を向けようと振り向いたその直後、暗がりから現れたゴツイ手がノド元を掴んだ。
 ミヤガセだ。
 相変わらずサングラスで表情は窺い辛いが、激しい憤りが見て取れた。
「タバコを吸う人間はクズか。じゃあ、そう言うお前はどれだけ偉いんだ? あぁん?」
「がっ……ッ、ぐ……ッ」
「返事もできねぇのか。喫煙者だって返事ぐらいはできるぞ? つまりてめぇはクズ以下ってことだなぁおい」
 ミヤガセは片腕で上野の身体を持ち上げ、タバコの煙をこれ見よがしに吹きかけた。ヤニ臭さが踊り場に充満する。
「に……ゲろ……かわ、また……!」
 首を絞められながらも女を逃がそうとするその心意気は、立派なものだと褒めておこう。
 しかし俺は、そんな英雄ぶった男が大嫌いだ。
「殺すなよ? カラダが使えなくなる」
「わかってまさぁ、ボス。このクソガキに教育をしてやるだけです。構いませんね?」
「ふむ……」
 タバコを貶されて立腹したのか、いつもニヤニヤ見透かしたように笑っている男にしては珍しく感情的だった。
 真衣の肉体を使って淫欲に染めてやろうとも思ったが、気の済むようにさせてやろう。
「好きにしろ」
「くくっ、ありがとうございます」
「……ッかわま……おまえ……」
 逃がそうとしていた少女が、今まさに自分を締め上げている男と気安く会話をする光景をどう捉えたのか。
 上野は目を大きく見開き、驚愕としかいいようのない絶望的な表情を見せた。
「気をしっかり保てよ、ガキ。そらぁ!」
「!」
 怒号の後、ミヤガセは上野を掴んだまま大きく腕を振りかぶると、壁に叩き付けた。
 毛羽立った木片に顔面を叩きつけられ、その拍子に眼鏡が落ちる。
「喫煙者に謝れ。生きていてすいませんってな」
「……」
「あぁん? 何、気絶した振りしているんだボケがぁ!」
 再び怒号を発し、壁に叩きつける。
 流血が飛び散り、真衣のスカートに赤い斑点がついてしまった。
「……俺は狩りを続ける」
 女ならまだしも、男が痛めつけられているだけの光景に興味はない。
「えぇ、そうしてください。俺はこのガキに、世の中ってものを教えてやります」
 ミヤガセは嗜虐的な笑みを浮かべ、タバコを額に押し付ける。血塗れの顔で、上野がかすかな悲鳴を上げた。
「早く気絶できるといいですね、上野君。では」
 俺は真衣の顔でそう微笑みを浮かべ、虐待をされる男に背を向ける。
 もっとも気を失ったが最後、お前の未来には絶望しかない。
「ん?」
 身体を見下ろすと、思ったよりも派手に返り血が付いていた。白い服だから余計に目立つ。
 こんな格好では、残りのメンバーと出会った時に余計な疑いを持たれてしまいそうだ。
「……仕方がないな」
 狩りはいったん中断し、まずはこの汚れを落とそう。
 背後から漂うタバコの臭いとガンッガンッと壁を叩く音を聞きながら、俺はトイレへと向かうのだった。






エロい事もしてみましょう

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