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Divider -ディバイダー 12 最終話


下衆な思想の男が主人公の、憑依系の話です
最後のエロとエンディングの同時掲載のため、いつもより長めです



確認
*この物語はフィクションです
  実在の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません
*エロシーンは以下略


 Divider -ディバイダー 12 「ディバイダー(裏切り者)」


 人目を忍ぶように病院から抜け出し、夜の街を並んで歩く。
 互いの手を繋いでいるくせに、言葉少なで視線を合わせようともしない男女を、すれ違う人間はどう見るだろう。
 まるで、これからホテルに入ってセックスする初々しい恋人同士のような気分だった。
 空を見上げればピークの過ぎたペルセウス座流星群の名残が見える。
 俺の願いが叶った日から、わずか数日しか経っていない。にもかかわらず、なんだ妙に感慨深くなった。
「お、あれだ」
 マドカの家がある分譲マンションが見えてきたところで手を離し、先頭を歩く。
 当然、星崎家に明かりはついていない。両親も姉も、しばらく病院から出てこないだろう。
 今から自分の部屋で好きな男とセックスするのだと思うと、期待に胸がドキドキして、アソコもさっそく濡れてきた。


 星のキーホルダーが付いた鍵を回し、星崎家に二度目の「帰宅」をする。
 ナオの件でだいぶ散らかっているかもと想像していたが、初めて帰宅したときと同じか、それ以上に室内は片付いていた。
「ふぅん。ここが星崎の家か」
 後から入って来た『俺』が物珍しそうに見回し、玄関に上がる。
「やっぱ人ン家だと、匂いが違うな」
「そうか?」
 マドカになっている俺からすれば当たり前の空気だが、意識してみると確かに自分の部屋とは違う甘い香りが漂っている……気がする。
 自分の髪を鼻先に近づけて嗅いでみるが、ただ良い匂いがするというだけで性的な興奮は覚えない。
 二度目ともなると慣れてきたのか、その辺りにあまり違和感は感じなくなっていた。
「何してんだよ。早く行こうぜ」
 背中を押して、案内を促される。
 あくまで『俺』はマドカの身体にしか……女とのセックスにしか興味がないらしい。
 場所を移すべきだと言ったときも難色を示していたぐらいだ。その心中は察するに余りある。
「わかったわかった」
 家といっても、分譲マンションの一室なのでそんなに広いわけじゃない。
 数歩進めば、すぐそこがマドカの部屋だった。

 ベッドに勉強机。本棚には漫画が数冊の他に星関係の雑誌。
 それと、天体望遠鏡が窓際に備え付けられている。マドカの部屋は相変わらずそんなものばかりで、ベッドの隅に置かれたピンク色のぬいぐるみが唯一少女らしさを醸し出していた。
「ただいまキービィ」
 ピンク色の丸々としたぬいぐるみに話し掛け頭を撫でる。もちろん返事はないが、習慣のようなものだった。
「なんかお前、本当に星崎みたいだな」
「まぁ、身体は間違いなくマドカだし…………なんなら、お芝居しましょうか? センパイ」
 口調をマドカに合わせ、悪戯っぽい笑みを浮かべる。
 俺の変わりように一瞬怪訝な顔をするが、すぐに気を取り直したのか唇を吊り上げた。
「そうだな、その方が盛り上がりそうだ」
「ふふっ、じゃあ、早速はじめましょう?」
 マドカとして喋ることに違和感も不快感もない。
 『わたし』はさっそく窮屈そうに膨らんだセンパイのズボンの前にひざまずき、ベルトをはずしていった。

 室内灯の下であらわになったトランクスに手の平を添え、亀頭の辺りをぐりぐりと押し付ける。
 男のものと違う小さな手に布越しに触れられ、初心な肉棒がピクンッと反応した。
「あはは、気持ち良いですか? センパイ。まだ、さすってるだけですよ?」
「う、うるせぇ、うっ」
 指を使って包み込むと、歯を食いしばって快楽に堪える表情を見せる。
 陰茎はいっそう硬さと大きさを強調しはじめていた。
 悶える自分の顔なんてキモイだけだが、マドカの心と同調していればなんてことはない。むしろ、愛しいとさえ思える。
 布切れ一枚隔てて女の手に握り締められた肉棒は、はやくもシミを作っている。
 その光景に気を良くして、腕をグラインドする。レバーを回すように、右へ左へゆっくり旋回させ、そのたびにシミが大きく広がっていった。
「どうです? 女の子の手は。自分でシコシコするよりずっと気持ち良いんじゃないですか?」
「ああ……はっ、いい。いい、ぞ……!」
 うわ言のように喘ぎ、肯定する。
 そんな表情を見ていると、 男の俺にしか味わえない感覚が少しだけ羨ましい。
 女のカラダは何度も堪能したが、女に奉仕される男の快感もなかなか気持ちよさそうだ。
(でもまぁ……)
 空いていた左手をスカートの中にしのばせ、パンツの上からアソコに指をあてがう。
「んぅ……ッ!」
 ピリッと甘く痺れるような感覚が走り、思わず肉棒をきつく握った。
 指は止まらず、布地の上から割れ目の中に食い込んでいく。
「やっ……あっ……!」
 やっぱり女の快感は凄い。さっき浮かんだ男への羨望など霧のように消えてしまった。
 いくら女に奉仕されていようが、きっとこの快感の足元にも及ばないだろう。
「お、おい。手が止まってるぞ」
「んっ、あ、わ、わりぃ……じゃなくて、すいません、センパイ」
「ったく。……なぁ、次は口でシテくれよ」
 こちらの気持ちよさなんか全く知らない不幸せな男は、自らトランクスを下ろし更なる奉仕を要求してきた。
 男の自分がフェラチオなんて、という忌避感はない。
 逆に、雄々しくそそり立ち鈴口から先走り汁を垂れ流すソレが、まるで甘く濃厚な蜜を塗りたくっているかのように映った。
(おいしそう……)
「ほら、来いよ」
 マドカのベッドに腰を掛け手招きをする男に近寄ると、いきなり頭をつかまれ、股間のモノと強引にキスをさせられる。
 そのままの勢いで楕円形の先端が唇を裂き割り、舌の上を滑った。
「んっ、んんーーーッ!」
「うおぉ、あったけぇ……」
 両手でこちらの頭を固定し、恍惚とした呻き声を漏らす。
 無理矢理くわえ込まされ、力任せに頭を揺さぶられる。さきっぽがノド奥に当たるたびこみあがる吐き気を堪え、マドカの唾液に濡れた肉棒が唇の内側をずるりとこする。
「噛むなよ? 絶対に噛むなよ! ハッ、ハッ!」
 相手に一切の気遣いも見せず、好き勝手な事を言う。
 口元でじゅぼじゅぼとイヤラシイ水音が響き、唾液とカウパーの匂いが鼻先に付いた。
 自分で自分のアソコを慰める余裕もないまま、強制的なフェラチオが続く。
(くる……しい……)
 にもかかわらず、不思議なことに嫌悪感はない。
 乱暴な奉仕をさせられ、息苦しさに涙まで滲み出すというのに、相手を悪く思う気持ちは微塵も湧いてこなかった。
「オラッ! 出すぞ! 全部飲めぇ!」
「ん、んぐ、んんん!?」
 その台詞から一瞬遅れて、口の中に精液が勢いよく注ぎ込まれる。
 どろりとした触感と、青臭い匂いと味とが口腔内を犯し、溢れさせる。とても飲み込める量ではなかった。
「げ……げほっ、げほっ!」
 男を押しのけるように身を翻し、放射されたばかりの白濁液をカーペットの上にこぼす。
「なんだよ、飲めって言ったろ」
(この、やろ……っ)
 口元に溢れた精液を拭いながら、涙目で勝手きわまる男を睨みつける。
 ただその一方で。
 床にこぼれたセンパイの子種を、“もったいない”などと思う気持ちも、確かに存在していた。
「言う事を聞かないヤツには、お仕置きが必要だな」
「お、オシオキ?」
「そうだな。とりあえず、四つん這いになってケツを向けろ。あぁ、服は脱げよ」
「……ッ!」
 いよいよだ。
 ついに、抱かれてしまう。
 不安に打ち震えながら、それでも期待を抱きつつ、スカートに手を掛けた。
 ブラウスのボタンを外し、ブラジャーも取る。
 最後にパンティを下ろすと、透明な粘液が糸を引いて内側と繋がっていた。
 あんな強引な行為をされていながら、このカラダは悦んでいたんだ。
「うおお……ごくっ」
 一糸纏わぬ女体をぎらついた目で視姦し、生唾を飲み込む音がやけに大きく聞こえる。
 シホはおろかナオにも及ばない平凡なスタイルのこの肉体を見て、センパイが興奮している。それがわかると、さっきまでの乱暴も忘れて嬉しい気持ちになった。
「優しく、してくださいね……」
 ベッドの上に乗り、命令されたとおりの格好をして熱く潤んだ陰唇を自分の指で開く。
 視界がぼんやりとして定まらない。
 熱で浮かされたように顔が熱い。
 心臓の鼓動が耳に直接響く。
 全身が緊張で強張り、けれど男を迎え入れるためのソコだけはとろとろになっていた。
「いくぞ」
 尻肉をつかまれ、入り口に異物がこすり付けられる。
 自分の指とも、姉の指とも違う、肉厚な感触が身体の一部を押し広げ、内側に潜り込んできた。
「あっ、ああ……はい……って……ッ」
 自分のカラダの中に、自分の意思を介さずに侵入してくる異物の感触に背筋が震える。
 肌が粟立ち、這いずって逃げ出したい恐怖に駆られてしまうのを、ぐっと堪える。
「ッ……!?」
 どれほど進んだのか。
 膣内で何かが触れ、わずかな痛みを感じた。
「星崎は処女か……ははっ、こりゃいい」
 背後で笑う男が、痛みの正体を告げる。
 処女膜。
 姉のナオは、ソレが破られた時とても痛いと言っていた。
 痛くて、セックスをしているのに全然気持ちよくなかった、と。
 なら、妹のマドカは?
「ちょ、ちょっと待……」
 未知の感覚に尻込みし、だがまるでそれを嘲笑うかのように、
「そらっ!」
 男が腰を振り、肉棒が深々と突き入れられた。
「っ……!」
 プッ、と体内で何かが千切れ、同時に強烈な痛みが走る。
 尿道にストローが深く突き刺さり内部を傷つけたかのような、ひょっとしたらそれ以上の激痛が下半身から込み上がり、ほどなく全身に回る。
「うっ……あ……ッ、が……ッ」
 呼吸すらままならなくて、絶え絶えに苦悶の声を上げるのが精一杯だ。
 それでも男はなお腰を振り、膣内を蹂躙していく。
「うおお……きっつ……! すげ……!」
 じゅぷ、じゅぷ、と接合部でいやらしい水音が響き、破瓜の血が混じった愛液が太ももをつたう。
 腰が打ち付けられ、ナカを滅茶苦茶に掻き回される。
「あがっ、があ……ッ!」
 ノドから絞り出されるのは、嬌声ではなく苦悶の喘ぎだった。
 どこもかしこも気持ちいいはずの女体が、今は痛みしか感じない。最低だ。
(でも……)
 不思議と、悪い気はしない。
 身体中が充足感で満たされていた。
「はっ、あ、ああああッ。痛……もっと……ゆっくり……!」
「いやだね! ほらっ、ほら喘げよ! 気持ち良いんだろ!?」
「あきゃ……ぎゃ、ああッ!」
 一突きごとに傷口が広がっていくような気がして、目じりに涙が浮かぶ。
 気持ちよくなんかない。痛いだけだ。
 そう反論する余裕もない。
 なのにこの、満たされた気分はなんだ? 

 ──でも……すごく、幸せな気分になれたよ──

 初体験を聞き出したときの、ナオの答えを思い出す。
 痛くて、快感さえなくて、妊娠のリスクまで背負いながら、どうしてそんな感情が湧くのか…………今、理解できた。
 そうだ。
 今抱いているこの気持ちは、『幸せ』だ。
 どうして? 決まっている。
 好きだったセンパイに抱かれているのに、嬉しくないはずがない。
 初めて出会って以来、彼とこうなる事をわたしはずっとずっと望んでいた。
「あっ、ああっ、好き! 好きです、センパイぃ!」
「あ? ああ、俺もだ。俺も……くっ、ぐう!」
 モノが膣内でいっそう膨張し、激しかった動きが衰える。
 もうそろそろ限界らしい。
「い、いいですよセンパイ。ナカに出して。わたしのナカに、たくさん、ください……ぅンッ!」
 恍惚としたままアダルトビデオのような台詞を吐き出し、肉棒を逃がすまいと膣をキュッと締める。
「ちょおま……やば……っ」
 一瞬慌てるものの、すでに限界間近だった童貞ペニスは肉壁の収縮に耐え切れず、欲望の塊を力強く放射した。
「あっ、あああ、あああああああああああッ!!」
 カラダの中に精液が注ぎ込まれる感触を味わい、痛みと、それにも勝る幸福感に包まれながら悲鳴を上げる。
(センパイ……)
 薄れゆく意識の中で。
 俺に、『わたし』の記憶が流れ込んできた。



*────



 星の輝きが、真っ暗だった夜空を蒼く染め上げる。
 子供の頃から、わたしはその光景に引け目を感じていた。
 雄大で、広大で、妖しく燦然と輝く空の下では、自分のちっぽけさがよくわかる。
 姉のように綺麗でもなく、親友みたいな抜群のスタイルを誇るわけでもない、ごく普通の少女でしかないこの星崎円がどれだけ小さい人間か、よくわかる。わかってしまう。
 それなのに、どうしようもないほどに惹かれていた。
 まるで月明かりに群がる羽虫みたいに、美しく輝く空にわたしは取り憑かれていた。


 六藍学園に入学し、たったひとりしかいない天文部を訪ねたとき、わたしは『彼』を同類だと思った。
 星に惹かれ、妖しい輝きに取り憑かれた、憐れな羽虫だと。
 けど、すぐに違うとわかった。
「なんで星が好きかって? ……俺の願いを叶えてくれるかもしれないから、だな」
「どういうことです?」
「だからさ。流れ星に願い事を三回すると、願いが叶うって言うだろ?」
「はあ」
「あんだけ大きくて綺麗なんだから、ちっぽけな俺のありきたりな願いの一つや二つ、叶えてくれるって思わないか?」
「……ゆ、ユニークな考えですね」
 『彼』は羽虫ですらない。
 夜空に浮かぶ月を見上げて、月の雫程度ならそのうち降り注いでくるんじゃないかと期待する、ただの虫だった。
 最高だ。いや、最低だ。
 姉のこともあってか、ダメ人間に甘いのは自覚していた。
 その中でも彼は、これまで出会った人間で最上級だった。いや、最底辺というべきか。
 宝くじも買わず大金が手に入ると信じるような、庇護欲を掻き立てられる純粋さだった。
 わたしは、彼を愛おしく思うようになった。
 抱きしめて、守ってあげたい。そして、自分なしでは生きていけないほど愛して欲しい。

 わたしの願いはたったひとつ。
 大それたことでもなく、恋する女の子なら誰もが思うような、ありふれた望み。
 あの日。
 星が降ってきたあの夜。
 わたしは心の中で三回、ソレを唱えた。

 『この人を、自分のものにしたい』と。

────*

 ふと気付くと、シャワーの音が聞こえた。
「……気を失ってたか」
 くらくらする頭を支えながら、辺りを見回す。
 『俺』の姿はない。おそらく勝手に風呂を使っているのだろう。
 ベッドシーツには処女の証だった赤いシミが作られ、同じ色をした体液がアソコやフトモモを濡らしていた。
 まだ股間に異物が差し込まれている気がする。身じろぎをするたびに、挿入時の痛みがジクジクと再発しているようだった。
「ッ……」
 脱いだ服に手を伸ばし、スカートから携帯を取り出す。
 目を覚ましたらしいシホから、大量の不在着信とメールが送られていた。
『なんか、気が付いたら病院にいたよ!』
『お姉さん、入院しているんだけど!?』
『今どこ!?』
 親友の慌てた姿が目に浮かぶような内容だった。
 苦笑を漏らしながら、そのアツイ友情に応えるため返事を打つ。
 風呂場のドアが開く音を聞いたのは、送信した直後だった。
「お、なんだ。起きてたのか」
 頭を拭きながら、半裸の『俺』が我が物顔で部屋に入ってくる。
「それにしても凄かったな、セックス。オナニーよりずっと良いじゃんかよ」
「…………」
 ベッドの隣に腰をかけ、いやらしい視線が全裸の俺をニヤニヤ嘗め回す。
「お前も最後は気を失うぐらい良かったみたいだし……どうだもう一回。こんどは別の女に乗り移ってヤらないか?」
「別の女?」
「そうだな、病院に戻って今度はナースと……ってのはどうだ? 近くのコンビニ店員もいいな」
「…………わたしじゃ、ダメですか?」
 腕に縋りつき、捨てられた子犬のような目で尋ねる。
 『俺』はしおらしい態度に一瞬怪訝そうな顔をするが、すぐに鼻で笑った。
「俺とお前なら、どんな女とでもヤれるんだぜ? 星崎だけを相手する理由があるか?」
「それじゃ……センパイはわたしを……わたしだけを愛しては、くれないんですね?」
「お前、また変になってるぞ。星崎の真似はやめろ」
 呆れたようなため息をこぼし、腕を振りほどく。
 答えは、拒絶だった。
 わかっていたことだ。
 『俺』は胸がときめくような恋をしたいわけじゃなくて。
 愛したいわけでも、愛されたいわけでもなくて。
 女を抱きたい、それだけの男だ。
 もちろん知っている。
 俺は『俺』だから。

「じゃあ」

 知っていた。
 答えはわかっていた。
 だから俺は。

「そっちのセンパイは、いりません」

 わたしは。
 『わたし』の中にいるセンパイだけで、満足することにしたのだ。


--------

 パトカーのサイレンが聞こえる。
 どこか遠くに感じていたのは実際わずかで、すぐにアパート付近にまでその音が響いた。
「なっ……?」
「うわぁ。さすが志星ちゃん、素早い」
「ど、どういうことだ……?」
 さっさと逃げればいいものを、『彼』は解答を促した。
 推理小説じゃあるまいし、と思いながら、つい先程送りつけたメールを見せびらかす。
「『センパイに犯された。助けて』こんなメールを信じて、警察まで連れてくるとか……ホント、持つべきものは親友ですよね~」
「待て……待て待て待て待て! なんで俺をハメる!? お前は、『俺』じゃないのか!?」
「いいや? 俺はお前だよ。……ただ、同時にマドカでもある」
 あの隕石に願い事をしたのは、俺だけじゃない。
 『わたし』も……マドカも、同じ事をしていた。

 女が欲しい『俺』と。
 自分の隣にいる男が欲しい『わたし』。
 二人分の願いが混ざった結果か、『俺』の心は二つに分かれ、そのうち一つがマドカの肉体に乗り移った。
 その結果、二人分の願いが叶った。
「今のわたしは、センパイの考え方も記憶も、全部わかるんです」

 もちろん、星崎円としての感情も体験も、全て思い出せる。
 文字通りの、一心同体。
 女を手に入れ、好きな男を自分のものに出来る、流れ星からの完璧な答えだった。
「本当は身も心もセンパイを手に入れたかったんですけど……仕方ないですよね。そっちのセンパイは、わたしだけのものになってはくれないみたいですし」
 ニコニコと説明をしながら、耳を澄ませる。
 階段を上る複数の足音。
 マドカを呼ぶ志星の声も、だんだんと近づいてくる。
「あ、ああ、愛する! お前だけを愛するから、だから……!」
「嘘だろ? 見え見えなんだよ」
 口調を『俺』に変えて、一蹴する。
 たとえ今のがその場しのぎの言葉でないにしても、一週間もすれば別の女に心を移すだろう。
 それがわかってしまう。
 マドカの中にいる『俺』の記憶は、自分がそういう男だと知っている。
「ま、運が良ければお説教だけで済むだろ。大人しく捕まっとけ」
 もっとも、二度とまともな学園生活を送れはしないだろう。
 これから先、コイツは後輩にムリヤリ手を出した男というレッテルを貼られ一生後ろ指を差される。
 性に関することで女が被害者ヅラをすれば、世間様は大抵こちらの言い分を信じてくれるものだ。
「っと、そろそろか」
 インターフォンが鳴らされ、志星の叫び声が扉一枚隔てた向こう側で響く。
 あとは被害者として、わたしのものにならないセンパイが確保されるのを眺めていればいい。
「じゃあな、『俺』」

 窓の外は、雲ひとつない夜空が広がっている。

 またひとつ、星が流れて落ちていた。




おわり






ここまでお付き合いありがとうございました

以下、総括という名の一人反省会です


このお話は
『男のカラダになった少女が男の記憶に呑まれて自分を見失う』というシチュの逆バージョンです
上記のようなシーンを見るたびに「不公平じゃね?」って思っていたので…もちろん、大好きなシーンではありますが
逆に自分の実力のなさが浮き彫りに……

前回の亡霊犯+といい今回といい、割愛した場面を作り短期決着にしてしまいました。
なので、少し表であったかい長い話でも書こうと思います
メリハリが必要なのです。うぃ

次の裏用の長編は構想だけはあるので、しばらく表で癒されたらまたダークな話に戻ってきます

コメントや拍手をしていただいた方
そしてここまで読んでくださった方々に感謝を

ありがとうございました


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非公開コメント

No title

まさか、前回の引きから、こうなるとは・・・

脱帽です

No title

おお……こんな真実が裏に隠れてたんですね。
自分の中に他人の心を入れるのは抵抗がありますが、女の子の中の「自分」となって、「自分」であると同時にその女の子である心の状態というのは体験してみたいですね。
愉しませていただきました。

次は憑依対象多めだとさらに嬉しいです!

コメントありがとうございます!


>second さん

ありがとうございます
予想外を狙いすぎてあさってに行き過ぎた気もします
姉がメンヘラなら妹はヤンデレということで御了承ください



>nekome さん

ありがとうございます
かなりややこしい感じになりましたので もう少し簡潔にまとめたかったですね
意図が伝わり、愉しんでいただけて何よりです

次の話ですが
少なくとも三人の少女がメインターゲットになる事をお約束します

姉も姉だが妹も妹だった。

コメントありがとうございます

>柊菜緒 さん
コメントありがとうございます
ろくでもない姉妹にろくでもない主人公はある意味お似合いかと